12球団ドラフトクジ運ランキング(08~17)

 先日のドラフト会議では早実の清宮に7球団の指名が集中して大きな話題となりましたね。結局日本ハムの木田優夫GM補佐が明石家さんまさんの助言で左手でクジを引き当て、「また有力選手がパリーグに・・・」と思った方も少なくないと思います。そこで、各球団のクジ運ってどうなっているんだろうと思い、調べてみることにしました。


 今回のドラフトは高校生と大学生・社会人の分離ドラフトが終了し、現在の制度になってちょうど10回目の節目ですので、2008年から2017年の10回を調査対象としています。


 10年間のドラフトのうち、1位の抽選クジを引いた回数は41回ありました。このうち、1回目が25回、2回目(いわゆる外れ1位)が13回、3回目(外れ外れ1位)が3回です。

 今回は1回目の25回について、各球団別にクジ運を算出しています。その際に競合球団数を考慮し、期待値を用いて(2球団競合の場合は期待値1/2、7球団の場合は期待値1/7・・・等)、交渉権獲得数÷期待値の和を「クジ運」と定義しています。

 「クジ運」は平均が1になりますので、サンプル数は少ないですが1を上回るか下回るかでクジ運のありなしの目安になりそうです。


ではまず最下位からの発表です。


 最下位はヤクルトとなりました。実は筆者のファンの球団なのですが、なんとここ10年間でドラフト1位のクジ当選ゼロ・・・2007年の高校生ドラフト1巡目で由規を引き当てて以来、1回目の抽選は8回連続で外れ続けています。

 とはいえ2010年にハンカチ王子の外れ外れ1位でトリプルスリー山田を獲得しているため、結果オーライといった感じでしょうか。


 11位は今年3位から下克上で日本シリーズに出場したDeNAです。最後に交渉権を獲得したのが2008年の松本啓二朗とこちらも6回連続で外れております。

 しかし今回は立命館大の東の単独指名に成功、過去にも筒香や今永と主力級の一本釣りに成功しており、2回目以下の指名で獲得した中にも今やチームに欠かせない投手となった須田、山崎康、濱口といった名前があり、ドラフト巧者の印象があります。


 10位は読売です。こちらも2008年の大田泰示以来4回連続で外れております。まあこのチームは他所から補強しますからねえ・・・


 ここまでで12位から10位までを在京セ・リーグが占めることとなりました。やはりパ・リーグのほうがクジ運が強いんでしょうか・・・


では続いて9位です。

 ここで初めてパ・リーグのオリックスがランクインしました。今年福良監督が新垣渚以来19年ぶりに田嶋を引き当てて話題になりましたが、外れ1位を含めてずっと外れていて、かなりクジ運の悪い印象がありました。(2010年には外れ外れ1位の抽選で山田哲人も外しています)

 しかし表の通り、ここ10年のうち6回も一本釣りに成功しており、抽選回数が少ないため期待値も小さくなるので、クジ運は0.80とそこまで低くない数値となりました。

 吉田正尚や山岡、そして今年の田嶋と近年のドラフトはかなり成功していると言えるので、オリックスは近い将来強くなると思ってます。(筆者がパ・リーグはオリファンということもありますが^^;)


 8位は阪神。2012年に4球団競合の藤浪を引き当てていますが、来年は復活してCSのような投球ができるのか、注目です。

 阪神はここ10年、1回目の抽選は上記の通り8回中2回当たりを引き当てていますが、2回目になると4回中4回外れ(08藤原、13柿田、14山崎康、17安田)、3回目だと2回中2回当たり(13岩貞、17馬場)とかなり特徴的な結果になってます。


 7位は楽天です。楽天は10年間のうち12球団最多となる9回抽選となっておりますが、2013年の5球団競合の松井裕樹をはじめ3回交渉権獲得に成功しております。

 楽天は期待値3.01に対して交渉権獲得3人と、ちょうど期待値通りのクジ運になっておりますが、集計期間外となっている創設から3年間のクジ運が半端ないです。

 ・◯片山博視(05高校1巡目、2球団競合)

 ・◯田中将大(06高校1巡目、4球団競合)

 ・◯長谷部康平(07大卒・社会人1巡目、5球団競合)

 ・×佐藤由規(07高校1巡目、5球団競合)

 上記を含めればかなりクジ運はよくなりますね。


 6位は広島です。ここ10年では2013年の大瀬良と今年の中村奨成の2回交渉権獲得に成功し、ほぼ期待値通りのクジ運となっています。しかし大瀬良に加え1本釣りに成功した09今村、11野村祐、15岡田といった投手が確実に主力として活躍できており、かなり「見る目」があり育成できる球団ということができるのではないでしょうか。


 5位は中日です。クジ運は1.18と少し良い方ですが、大当たりといえるのは2010年単独指名の大野雄大くらいでしょうか。ここ数年の1位指名である鈴木翔、小笠原、柳、鈴木博がチームの顔になってくるようになるとチームも浮上できるかもしれません。


 ここでセ・リーグが出尽くしてしまいました・・・やはり最近のクジ運はパ・リーグのほうがいいんですね。


 4位はロッテです。1回目のクジによる交渉権獲得は11藤岡、13石川歩、15平沢の3回ですが、2回目のくじは4回中4回当たり(10伊志嶺翔、12松永、16佐々木、17安田)と敗者復活にもかなり強い球団です。


 つづいてトップ3の発表です。


 3位はソフトバンク。2015年に高橋純平、2016年に田中正義を引き当てたのは記憶に新しいですね。しかし今年のドラフトでは1回目の清宮、2回目の安田、3回目の馬場ともに工藤監督が引く前に当たりくじを引かれてしまいました。


 次は2位です。


 西武はここ10年、1回目の抽選参加回数は4回とオリックスと並んで最小ですが、2009年菊池、2010年大石と2年連続で6球団競合を引き当てました。

 ここ最近は単独指名に成功した十亀、高橋光、多和田といった投手が着実に戦力になってきています。しかし超強力な打撃陣は森友哉以外はほとんど2位以下での獲得であり、育成にも成功しているといえます。あとはFAで選手が抜けなければ常勝を狙えるはずですが・・・


 1位はやはり・・・


 今年清宮を7球団競合の末に引き当てた日本ハムでした。2010年にはハンカチ王子を引き当て、2011年には菅野を強行指名(交渉権獲得するも入団拒否)、2012年には大谷を説得して入団させるなどドラフトの話題には事欠きません。「その年一番いい選手を指名する」というチーム方針が功を奏した結果となりました。


 以下にクジ運ランキングをまとめた表を掲載します。

 クジ運が良い上位4球団がパ・リーグ、悪い下位5球団のうち4球団がセ・リーグとやはりリーグ間で対照的な結果となりました。この辺が解消されれば交流戦の戦績も改善されるんでしょうかね・・・


 最後に2回目(外れ1位)、3回目(外れ外れ1位)も含めた、ここ10年間のドラフト1位すべてのクジ運ランキングを掲載します。

 2回目のくじ全勝のロッテが1位となり、全敗の日ハムが5位となりましたが、やはりパ・リーグのほうがクジ運が良い傾向に変わりはありません。(オリックス以外ですが・・・)

 もちろん1位選手が活躍できるとは限りませんが、来年以降はセ・リーグにも目玉選手が入ってきてくれるといいですね。


 長々と読んでいただき、ありがとうございました。

プロ野球関連雑記

プロ野球に関する雑記です

0コメント

  • 1000 / 1000